労働組合堀川化成分会について
●プロフィール
堀川化成株式会社(本社:大阪市鶴見区、滋賀工場:甲賀市)の社長は自前の教会を持ち、自ら会長になる程の熱心な天理教信者です。2017年4月まで従業員を業務と無関係な宗教的行事へほぼ強制的に参加させていました。
その中でも最も大きいのが、研修と称した天理教修養科(3ヵ月間施設に住み込む)に参加させ、その後、自教会の信者としていました。
「修養科中に途中棄権したら、会社に居られなくなる」とこれに迎合しつつも、「修養科の研修を止めてもらえないのか」「天理教に家族を人質にとられているみたいだ」と嘆く者もいました。
社長は「研修(修養科)を修了後の信仰は自由」と言いながら、一部の者には毎月8日の月次祭に参加を要求(お布施 2,000円〜10,000円)し、月次祭で使用する着物(30,000円程度。すぐに支払えない場合は分割で支払い。)を購入させ、上級と呼ばれる教会への泊りがけでの参拝等がありました。その様な特異な状況に戸惑い、参加を断る従業員もいました。そのような者を社長は不快に思い、異動や降格・減給などの方法によって退職へ追い込む事件もありました。
堀川化成分会結成以前、宗教活動への積極的な参加の有無による社長の恣意的な人事異動や給与面等での差別的扱いを問題視した従業員(現 取締役)達が労働組合を作ろうと規約を作成・組合加入の署名を多くの従業員に募っていました。
(おそらく、彼らが組合結成してまで守ろうとした人を守れなかった為に)組合は結成される事無く頓挫しましたが、「この会社には組合が必要だ」と従業員(現 取締役)が吐露していたのを複数の者が見ていました。
組合が結成されず、社長の天理教信者獲得のためとしか思えない求人(年間6〜10名程度採用)の為に、人件費が膨張しました。現場の声を聞かずに行った巨額な設備投資により金利負担も増大し、4期連続の赤字となり、減給や諸手当の廃止、退職や生活レベルの低下があった中、社長が優秀だと思い込んだ社員(入社時期により減給対象では無かったとはいえ、多くの従業員が減給された)の中、昇給した者もいました。
「このままでは会社が危ない」という声が社内から相次ぎ、2016年5月大阪地域合同労働組合の助力の下、9割近い社員が加入して「堀川化成分会」が結成され、
1) 宗教問題
2) 透明性のある人事評価制度導入
3) ワンマン性の強い無茶な経営の改善
4) 会社の法令順守
上記4点を解決すべく立ち上がりました。
その際に、先とは別の現 取締役工場長やとある課長が「立場上、組合員にはなれないが、組合員と非組合員との懸け橋となる」と言ってくれました。
会社が抱える問題は、組合員だけでなく、ほぼ全従業員が看過できない問題だと思っていました。
赤字解消に組合も協力し、会社も組合の主張に一定の理解を示すという関係の中で、幸いにも黒字化が達成され、手当の復活や昇給を勝ち取ることに成功しました。
しかし、社長は組合と円満に話し合っていた副社長を突然解任し、労使対立の道に舵を切りました。労使紛争が従業員の経営不信を招き、深刻な従業員定着率の悪化(退職者15名 2018-2019年末 その内、製造現場従事者11名)を引き起こす事態となりました。組合が会社へ正社員採用・増員を訴えても、社長は組合員が増える事を懸念して一向に正社員採用活動を行わず、派遣社員の登用と天理教信者で構成された社内請負会社を設立し数あわせに走りました。定着率の悪化は基幹社員不足問題へとつながり、クレームの発生・技術技能の伝承ができない・軽微な事故による従業員負担の増大へと波及しています。
この人手不足の中で中小企業が生き残る道は「社員に選ばれる会社となる事」であると確信しています。そのためには、少なくともまっとうな会社にならないといけません。組合はこれを常に訴え続け、いつか必ず労使で共に手を取り合って会社の発展を考える日が来る事を願っています。
※一部の方から、
1)天理教修養科を研修としていた証拠や
2)天理教行事参加要求の証拠が見たいとの要望がありましたので、過去に配布された書類をアップします。
●沿革
○2016年
5/26 組合結成通告。9割を超える従業員が問題解決を訴え組合に加入する。営業顧問が副社長に就任し労使問題解決の交渉窓口となる
6/25 堀川化成における初めて団体交渉開催
9/15 労使間で問題解決を図る目的で定期的に「労使協議会」を開催する協定を締結
12/15 労使間でチェックオフ協定を締結
○2017年
2/15 労使間で掲示板使用協定を締結
3/31 労使協調を志す副社長が退任させられ、組合を敵視する社長が今後の労使間問題解決の交渉窓口となる。
5/15 新入社員3名が研修(天理教修養科)中に逃走し、そのまま解雇退職。
8/9 社長が団体交渉に初めて出席。
11/21 社長が労使協議会協定を一方的に破棄。
12/19 社長による団体交渉拒否、質問の回答拒否が続く。団体交渉に誠実に応じようとしない
○2018年
2/21 大阪府労働委員会へ救済申立。
4/18 団体交渉開催。社長は一方的に交渉を打ち切り退席。
4/20 これに失望した若手中核メンバーを中心に大量離職が始まる。会社は天理教信者で構成された社内請負会社「鞄V友会」を介した人員確保を開始。
5/1 「鞄V友会」が法的に適切に管理されていない(偽装請負)疑いがあることから組合は調査を開始。
6/27 最大取引先労組へ支援要請。
9/12 本社工場閉鎖問題について社長による交渉拒否状態が続いたことからストライキ権を確立。
12/27 大阪府労働委員会への救済申立について和解協定を締結。
2018年度退職者 6名(堀川化成分会員 6名 製造部6名)
〇2019年
団体交渉については、和解後の交渉にても不誠実な対応が続いたとして再度大阪府労働委員会に申立て。
同年 12/11 一方的に廃止された昼食手当を間接的に復活。就業規則・賃金規定から昼食代を削除し、基本給に相当額を上乗せする協定書を締結。
2019年度脱退者 15名(内滋賀工場8名本社7名)
上記の脱退者については支配介入によるものとの判断で、大阪府労働委員会に救済申立て。
〇2020年
2020年3月 団交拒否事件救済命令。
〇2021年
2021年7月27日 支配介入事件について救済命令。
2021年12月 組合員2名に対するパワハラ行為と上記命令を受けての慰謝料請求を提訴
〇2022年
2022年6月 中央労働委員会にて両事件の和解が成立。これによって上記団交拒否・支配介入事件に関わる慰謝料請求については、組合からの提訴につき取り下げ